ふるさと社

高次脳機能障がい者支援<ふるさと社>

高次脳機能障がい者支援の概要

高次脳機能障害をお持ちの方は、注意、記憶、遂行機能障害のほかに、社会的行動障害により、日常生活・社会生活に何らかの制約が見られる場合があります。また、自分の障害を認識する事が苦手で、周囲の評価と自己評価の間にギャップがあり、当初から「私はどこも悪くないので以前と同じように仕事ができる」という認識を示す方もいます。
このような方々のために当センターでは、模擬会社≪ふるさと社≫の活動を通して、高次脳機能障害の様々な課題に向けた訓練を行っています。一日の生活スケジュールの流れにも視点を置いて、日常生活ではスケジュールに沿って行動できるか、集団活動では、対人関係が保てるかなどの行動面全般の評価と訓練を行い、社会復帰に向けた支援を行っています。

高次脳機能障がい者支援≪ふるさと社≫

①対象となる方
  • 脳外傷、脳血管障害などにより高次脳機能障害と診断された方。
  • 一般就労(復職含む)や福祉的就労を目指す方、または社会生活を営むことを目的とする方で、身体障害者手帳、または精神保健福祉手帳(もしくは診断書)をお持ちの方。
②利用期間・利用形態について
  • ふるさと社の定員は概ね10名程度で、入所・通所があります。利用開始時は、一日を通した生活面の評価のため、原則として入所訓練をお勧めしています。
  • 利用期間は個々の状況によりますが、概ね1年~1年半程度です。就労に向けた調整や環境が整えば、期間が短くなる場合もあります。

ふるさと社の活動内容

ふるさと社では、個別および集団で行う活動を通して職業準備性を高めるための訓練を実施しています。

①『個別高次脳機能訓練』

個別の作業療法評価をもとに個々の訓練内容を検討し、それに対する高次脳機能訓練(記憶、注意、遂行機能訓練)を実施しています

個別訓練(エコバック作り)の例
個別訓練(エコバック作り)の例
②『ふるさと社集団活動』

朝・夕のミーティングと清掃活動、午後の集団活動を『ふるさと社集団活動』の時間としています。専門職スタッフによる各分野からのアプローチ、エコ活動(キャップ回収、洗浄、各種バッグ作製、インクカートリッジ回収など)、庁舎管理(温湿度チェック、消火器点検など)等の活動を通して、集団の中での振る舞い方やコミュニケーションの取り方、対人関係を学びます。

作業を分担して共同で実施する集団活動
作業を分担して共同で実施する集団活動

ふるさと社の活動スケジュール

時 間活動内容
8:50~9:10タイムカード打刻  朝のミーティング
9:15~11:55個別訓練(1人60分~90分)
13:00~15:00午後の集団活動(曜日ごとに各専門職が担当)
16:00~16:20夕方ミーティング タイムカード打刻 清掃活動

午後の集団活動では、曜日別に生活支援員、職業訓練指導員、心理職、言語聴覚士、作業療法士が加わり、それぞれの専門性を生かした活動を行っています。

各種サービス利用

ふるさと社における活動の他に、支援部所属の理学療法士、作業療法士、病院部門外来診療による言語聴覚士のリハビリテーション、支援部訓練課と連携した職業訓練(軽作業・パソコン・自動車運転)をスケジュールに組み込んで利用することができます。
隣接する障害者福祉センター(サンアップル)を利用した体力作りも可能です。

各種サービス利用

ふるさと社の訓練内容は、ご本人の意向確認を踏まえて、医師を含む各担当者で検討し、関わる職員の専門性を生かして実施しています。
このような活動を実施することにより、障がいの自己認識を促し、障がいがあっても社会で生活するための手段を獲得していきます。また、利用終了後も地域社会での支援が継続されるように、ご家族や地域の福祉担当者、企業、事業所職員などを含めて、定期的に支援会議を実施します。
新規就労の場合、ふるさと社は就職あっせん機関ではありませんので、地域の関係機関と連携して就労に向けた支援を行います。