センターの紹介⑥ トイレだって ‟みんなちがってみんないい”
2024.10.30
日中の気温が低くなり、いよいよ秋・・・というか冬の足音を感じるようになってきましたね。
秋と言えば・・・芸術の秋!

小3の娘が金子みすゞさんの「小鳥と鈴とわたし」を学習しており、音読の宿題の度に読んでくれました。読むたびに「個を尊重する大切さ」を感じます。
小5の息子はハロウィンで仮装をするというので何にするのかなぁと思っていると、100均でおもちゃの鉄砲と赤と白の養生テープを購入してきました。
なんの仮装かわかります?

正解は「無課金おじさん」です。
※無課金おじさんとは射撃競技のトルコ代表で、パリオリンピックで銀メダルを獲得した選手です。
ネットやニュースを見ている私は大爆笑で「いいじゃん!ウケる!最高!!」などと盛り上がりましたが、果たして同世代にウケるのか・・・
でもいいんです。
ウケるとかそういうことじゃなく、仮装だって「みんなちがってみんないい」です。

前置きが長くなりました。看護師の北島です。
今日は「みんなちがってみんないい」の‟みんな”は人だけでなく‟トイレ”も一緒だぞということを伝えたいブログです。
当センターには様々な形のトイレがあります。
それはなぜか?
答えは「自分の状態にあった使いやすいトイレを使ってほしい」からです。
そして入院、入所中に「自分にあったトイレを見つけてほしい」からです。
例えばこんなトイレがあります。

これは便座に座った際、左側に「縦手すり」という手すりが付いているタイプです。
縦の手すりは立ち座り動作に適しているといわれています。高さがある分、高いところをつかまり引っ張ることで立ちやすく、また立っている時につかまりやすいという特徴があります。
次にこちらです。

これも同じ縦手すりですが、先ほどのトイレと反対についています。
当センターには片麻痺の患者さんも多くいます。
ご自身の麻痺が左か右か、また左右どちらの方が力が入りやすく使いやすいかによってトイレを使い分けることができます。
さらにこのトイレ、カーテンの奥も少し広くて・・・

トイレ横についているバーを開閉することができます。
これのなにがいいのか?
下の画像のように車いすをトイレに横付けできるのです。

車椅子を横付けできることによって、少しの移動距離かつ、少しのターンでトイレに移ることができます。
そしてすでに気付いている方もいると思いますが、9割以上のトイレは車いすでも入りやすいよう、入口はカーテンになっています。
実際に車いすに乗ってもらうとわかりますが、開きの扉って開けるのがなかなか大変。。。

ちらっとかわいく便器が移っていますね(笑)
外来には今でこそ普及して一般的になってきていますが、自動ドアの多目的トイレが3つならんでいます。

もちろん汚物槽もありますよ。

最期に、、、これはだいぶ特殊な形のトイレです。

「小判型トイレ」と言われているもので、脊髄損傷の患者さんが自分で便をかき出す際に、便座が狭くてやりにくい!!という課題を克服するために作られた便座です。
便座の口が前にも後ろにも広いので、手が入りやすいのです。
ざっと説明しましたが、ほんとにいろいろな種類のトイレがあります。
色々な障害や課題
みんなちがってみんないい
そう言い切るためにも、もっともっとみんなで考え、工夫して「違ったって幸せに生きていける」そんな社会を作っていきたいと思います。
そのためにも、みなさんが自分の力で色々なことができるようにお手伝いをしていくのが僕らの使命と考えています。