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事故からリハビリを経て、医師を目指す!就職先はもちろんあの場所! センターの紹介⑤ー3

2024.03.25

こちらの続きです。

北島:ケガをして救急搬送されたのはどこの病院だったんですか?

加藤:最初は長野赤十字病院に搬送されて手術をしました。日赤は1ケ月半、ベッドから車いすへの乗り移りの動作や、プッシュアップといって手で床を押して、おしりを上げる動作は練習していました。乗り移りもベッドと車いすを橋渡しするようなボードを使用してやっていましたね。

北島:早い段階で脊髄損傷患者の基礎訓練が始まりますね。

加藤:そして状態が落ち着いたところで、リハビリテーション目的で当センターの病院へ入院となりました。

北島:ではまず当センターに来てからの苦労した話を教えてください。

加藤:こちらでは実用的な、トイレやシャワーチェアへの乗り移りなどの練習になりました。一番苦労したのはやっぱり排泄関係ですかね。障害の影響で、排泄が今まで通りできないので、摘便(肛門から指を入れて直腸を刺激し便を出す行為)や自己導尿をしなくてはいけない体になりました。最初は僕もやり方が全く分からず、看護師にやってもらうのはすごく抵抗がありました。

北島:みなさん排泄関係は抵抗ありますよね。患者さんからよく「申し訳ない」って逆に気を使ってもらうことは多々ありますよね。

加藤:また時々失禁してしまうこともあって、手を煩わせてしまう申し訳なさと、漏らしてしまったというショックの気持ちが大きかったですね。当センターで様々なことを練習し生活してみて、改めて実生活に戻るのはすごく難しいんだなと感じました。

北島:では当センターで訓練をしていく中で、嬉しかったことは何でしたか?

加藤:出来ることが増えたことですね。下半身が麻痺し、どうやって生活していったらいいのだろうと考えていました。正直看護師や医師に「おうち戻れるよ」「自立している人いるよ」と聞いていましたが、「本当に?」と疑っていました。そんな中で排泄やお風呂、そして車の運転などできることが増えたのがうれしかったですね。

北島:〇〇ができるという目にみえる目標達成はうれしいですよね。ほかにも入所で印象にのこっていることあります?

加藤:僕が入所中はサンアップルに行けたので、スポーツができたのは楽しかった思い出です。中学時代3年間卓球部だったので、卓球が楽しかったです。あとは車いすバスケも体験させてもらいました。

北島:そういえば加藤医師とラリーしましたね!楽しかったなぁ。

加藤:最近は卓球をやっています。大会もでています。卓球は技術面のぶつかりという部分が大きいので、年をとってもできるのがいいですね。5年後の長野国体を目標にしますかね。あとは旅行もしたいですね。新潟とか近場からいってみたいですね。

北島:目標に向かって頑張っていますね。加藤医師といえば一つのことに集中することが多かったですよね。国家試験に向けての勉強も集中しすぎてましたよね。そのせいかなかなか朝起きれず、何度も僕が起こしに病室へ行った思い出があります(笑)

加藤:そうですね・・・朝は昔から弱いですね(笑)

北島:でもそんな入院中の勉強の甲斐あって医師国家試験を合格しましたもんね。合格の結果を聞いて看護師みんなで喜んだのを覚えています。あれから医師になり3年が経過しましたが、働く中でうれしかったことはありますか?

加藤:障害をおった中でも、次のステップに移れる段取りになり、そして巣立っていくところを見ると嬉しい気持ちなりますね。そういったところでサポートできたのかな充実感はありますね。

北島:逆に大変だったことはありますか?

加藤:やっぱり立てないということはいろいろ処置に対しては難しい場面があります。例えば傷を縫ったりとかは、ほかの人はサッとポジションをとってできるんですが、僕は難しいんですよね。ただ誰かに手助けをしてもらったり、お願いして解決していくことも重要だなと思っています。

北島:どうしても難しい処置はありますよね。そもそもなぜ様々な分野の中から「リハビリテーション科医」を目指したのですか?

加藤:正直学生時代リハビリテーション科という存在も知りませんでした。けがをして、こちらのセンターで入所している時に清野先生から「リハビリテーション科医」という仕事を教えて頂きました。また清野先生は「ぜひここでの訓練を終えて医師になったら、ここにリハビリテーション医として戻ってきてよ」と言われたことはすごく思い出深いです。その言葉と、お世話になったリハビリテーションセンターに恩返しがしたいという思いから、リハビリテーション科医になりこちらのセンターで働かせてもらっています。

北島:いやぁ。ホント。なんかホント小説のような話ですね。若者言葉でいう「エモい」話ですね。これからも医師として、そして今度は看護師:利用者の関係ではなく仕事のパートナーとして県リハを盛り上げていきましょう!長いインタビューありがとうございました。

加藤:またよろしくお願いします。

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