自助具で生活を向上させよう
自助具とは低下したり失われた動作能力を補い、日常生活動作(主に身の回り動作:食事、排泄、更衣、整容、入浴)の自立を図るために工夫考案されたものをいいます。
介護保険制度の導入もあり、福祉用具の研究開発が進み、生活に役立つ自助具や機器等がたくさん市販され、手に入れやすい状況になりました。しかし市販品がない場合や、対象者の機能により市販品では使いにくい場合、当センターでは作業療法士が作製・改良しています。
これらの自助具は、対象となる人のさまざまな機能に合わせて選択する必要がありますので、作業療法士等に相談することをおすすめします。
また、自助具の中には、『日常生活用具』や『福祉用具』として介護保険サービスや障害福祉サービスで支給されるものもあります。
ここでは、当センターでよく対応する自助具について紹介します。また、市販品も含めて順次追加していきますので、お楽しみに!
「作業療法のご案内」のページもご覧ください。
整容用自助具:(電動)歯ブラシホルダー
手の麻痺や握力低下がある人が歯ブラシを持てるようにするための手に固定する道具です。
塩ビのパイプなどを加工して作製します。
歯ブラシの向きが変わるようにパイプの中で歯ブラシが回転できるように工夫してあります。
写真の方は、手首を固定する装具と万能カフ、歯ブラシホルダーを使って歯磨きが行えるようになりました。
整容用自助具:髭剃りホルダー
頚髄損傷などで手指の筋力低下のある方が、手のひらにホルダーの取っ手をひっかけることで、髭剃りを握らなくてもひげを剃ることができます。スイッチを押しやすいように改良することもあります。
ポリプロピレン板や塩ビパイプなどを加工して作製します。
移乗用自助具:トランスファーボード
①車用
車いす利用者が車椅子から車に乗り移れない場合に使用します。
ボードの切り込みをセッティング例のように車イスのアームレストのパイプに合わせることでボードを固定し、車と車いすの間にある隙間を埋めます。車の座席側になるボード部分は、座席に合うように曲線に加工します。
材料はポリプロピレン板6㎜を使用しています。
②ベッド用
車いす利用者が、車いすからベッド・ベッドから車いすに乗り移れない場合に使用します。
セッティング例のように、ボードをベッドと車椅子の間に入れ、ベッドと車いすの間の隙間を埋めます。ボード裏にある2枚の板が、移乗中にボードがずれることを防ぎます。
材料はポリプロピレン板6㎜を使用しています。
これらの自助具は、対象となる人のさまざまな機能に合わせて選択する必要がありますので、作業療法士等に相談することをおすすめします。
また、自助具の中には、『日常生活用具』や『福祉用具』として介護保険サービスや障害福祉サービスで支給されるものもあります。