高次脳機能障害で入院される患者さんの一日
高次脳機能障害患者の入院生活~県リハ入院生活一日のながれ~
高次脳機能障害で入院・・・と言われてもどんな入院生活になるのか想像がつかないと思います。
このページでは、高次脳機能障害のリハビリテーション目的で入院されている患者さんの、1日の流れを紹介したいと思います。
【6:00~7:00】 起床
パジャマからトレーニングウェアに着替えます。そして洗面所にて洗顔をします。
当たり前と思うかもしれませんがこういった「朝のみだしなみ」を習慣化していくことで、社会性が得られるうえに、体に「一日の始まり」ということを認識させるため活動しやすくなります。
【8:00】 朝食
【8:50】 本日の日課の確認
メモリーノートと呼ばれる日課表や日記を記載するノートを、個人の障害に合わせて作成します。
そのメモリーノートを用いて、看護師や訓練士と共に本日の日課を確認します。
【8:55】 日課に沿ってアラームを設定
他のことで気がそれてしまい、時間を忘れてしまうことが時々あります。そうならないようにアラームをかけます。アラーム付きの時計だけではなく、スマートフォンのアラーム機能を使う患者さんもいます。
【9:00】 本日のリハビリテーション(訓練)
訓練士とともに行うリハビリは主に3種類、理学療法、作業療法、言語療法があり、その方にあった必要なリハビリを行います。
県リハは横に長い構造になっているため、訓練室に行くだけでもなかなかの運動になります。
自分で朝に着替えをしたり、自分でこの長い廊下を歩いたり。そういった「自分で考え」、「自分で行動しリハビリする」ことが一番のリハビリだということに気づきました。
【10:30】 入浴、シャワー浴
月、木曜日の週二回、看護師の介助を要する方を中心に入浴やシャワー浴を行います。
※祭日が重なった際は曜日をずらすことがあります。
その際も訓練を兼ねて、着替えや体を洗う動作は可能な限りご自身で行っていただきます。
【12:00】 昼食
【13:00】 午後のリハビリテーション
広いセンター内の場所を覚えて、一人で訓練に向かうことも大事な訓練となります。
【16:00】 自主課題の実施
訓練士からの課題があります。
自室で課題を問いていきます。また1日の振り返りを各自します。
※集団リハビリテーション
週1回、集団でのリハビリテーションを実施します。
集団での訓練により以下のことが獲得できます。
- 他人への配慮や協調性を養うことができる
- ゲームなどを通し競うことで、意欲を上昇することができる
- 他者との交流を持つことで入院生活の孤独や寂しさを抑え、気分転換になる
- 季節を感じるレクリエーションを行う事で、季節や時間の感覚を鍛えられる。
そういった目的から集団でのリハビリテーションを実施しています。
【18:00】 夕食
【20:00】 パジャマに着替える
パジャマに着替えることで「これで1日が終わるぞ」と体に覚えさせます。
このように日課に沿って生活をすることで、1日のリズムが整った生活を送ることができます。
さいごに
高次脳機能障害の患者さんで「体の訓練だけでいいのではないか?」「もう大丈夫だから早く働きたい」と思う方は沢山いると思います。焦る気持ちもあると思いますが、高次脳機能障害は目に見えず、周りの方の理解を得られにくい特性があります。しっかり時間をかけて訓練をしながら、今後の社会との関わり方を家族の方と一緒に考えていきましょう。そのお手伝いを県リハにさせてください。